2011-11-26

綾部市 24頭の犬と山村暮らし



 けいすけクンは20歳。さくらちゃんは女性だから年齢秘密。
 同じ女性でも、連れているK姐さんは年齢秘密じゃない。75歳。
 大阪の茨木市から綾部の山村に引っ越してきました。


 これがK姐さんの買った古民家。古民家と呼ぶにはいまいちその風情に欠けますが、それにはやむにやまれぬ事情があります。



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 この家に近づきますと、ワンワンワンワンワンワン。場所という場所から犬が吼えます。
 犬の鳴き声は、背後の山に響き、前の山に跳ね返り、接近する輩すべからくいやでも泥棒の立場に立たされてしまいます。
 乾燥中の犬用食器の数から、この家に何頭の犬がいるのか当ててみてください。って、タイトルで24頭と書いてしまいましたか。


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 K姐さんは、犬が本当に大好きで、出会った野良犬を迷うことなく家に連れて帰って世話していました。里親を見つけた野良犬の数は150頭くらいだそうです。それでも、すべての犬を誰かにもらってもらえるわけではありません。いつしか24頭が残りました。
 大阪茨木市のような都会ではとっくに限界でした。偶然にも綾部市のこの山村に空き家を見つけました。山村であることに加えて、両隣の家屋はすでに住む人もありませんでした。どんなに犬がうるさくしても苦情の出ない場所がやっと手に入った。
 この地に移り住みました。そして、今年で10年目。犬より他に同居者のない10年です。


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 いちばん長生きしている犬は23歳に達したそうです。けいすけクンの20歳でも充分驚けるのに、その上をいく犬がいるとは。まさに老犬施設です。うちの父親が空きを待っているのは老犬施設ではなくて老健施設です。K姐さん預かってくれませんよね。


 K姐さんの犬の世話はとてもよく行き届いているようでした。20歳のけいすけクンは加齢臭もありません。手をなめられても、老犬にありがちな唾液の臭さが残りませんでした。


 世間話をするうちに、「わあ、お名刺欲しいわあ」とK姐さん。その言い方、新地かどこかのママさんみたいで、私も名刺を渡しやすかった。
 ひとり暮らしで退屈だからいつでも遊びに来てとのことでした。


 なんなら電話番号言うときましょか。
 いえいえ、必ずまた来ますから。


 誰を連れてきたら喜ぶかなあと算段しながらK姐さんを見送りました。
 
 K姐さんとワンちゃんたちの散歩コースは、いま紅葉の真っ盛り。K姐さんが大好きなイチョウこそ、ここしばらくの強風続きで葉を落としてしまいましたが、渓谷沿いのモミジがさらに色を増そうとしているところです。




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